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特集記事

MUSIC/SLASHが考える
「音」の持つたくさんのチカラ、
そして価値とは?

緊急インタビュー

コロナ渦で「大阪アラート発令」を受けて、
『FUNKY DICOvery』のライブ配信が
延期になった理由とは?

ここで取材は終了していたのですが、2020年12月24日に大阪のフェスティバルホールで開催・配信予定だった『FUNKY DICOvery』が延期になったことを受けて、谷田さんに緊急インタビューを行いました。
今回は、延期になった経緯やその決断の背景について、SOUND POWER BASEの独占取材をお届けいたします。

―無念の延期、率直に谷田さんの心境は?

谷田:プロデューサーとして、ひとりの音楽好きとして、今回の延期という決断はとても悔しいものではありました。

コロナ禍の新しい音楽の届け方の選択肢としてライブストリーミングが活発になり、さらにそれを高クオリティでお届けするという『MUSIC/SLASH』が、コロナウイルスによって延期を余儀なくされる、という今回の状況。もしかしたら見方によっては、「コロナに負けた」と映るかもしれません。

でもこれは、今後も『MUSIC/SLASH』のクオリティ、規模感を残していくための施策であると考えています。

特に今回のフェスティバルホールでの『FUNKY DICOvery』A Hundred Birds Orchestra Xmas Special Concert 2020は、私たち配信業界にとって大きな標榜でもありました。「コロナに負けるな!」という社会の流れの中で、みんなが前向きにコンテンツの企画・配信をしているのを目の当たりにして、自分たちにも何かできるのではないか、もっと音楽を届けられるのではないか、とコンセプトから踏み込んで企画したコンサートでした。

そんな最中、2020年12月4日、大阪アラートが大阪全域に発せられ、医療機関の病床数も逼迫してきて…と雲行きが怪しくなり、無観客配信へと舵を切りました。感染対策をしながら、なんとか開催に向けて企画を改変してすすめていたんです。
主催者としてはやっぱりやりたい気持ちが強くて。


―そんな状況から延期という決断を下したのですね。

谷田:延期の決断をした中で、やはり今回のコンサートの規模というのが決め手でした。今回のコンサートでは、オーケストラ編成のバンドで挑む予定だったので、無観客とはいえ、質の高いレベルの配信をしようと思うとスタッフを合わせると100 名以上が会場に集まることになります。医療の状況、感染者数などさまざまな物理的な数値が悪化する中で、100 名が会場に集結し、リハーサル会場から本番会場まで移動する。これが本当に正しいのかどうか。

もちろん会場の中では感染対策ができるのですが、ミュージシャン、スタッフそれぞれの日常生活までも制限することは難しく、「100%の感染対策ができたのか?関係者全員の安全を考えられているのか?」と問われると、その段階では自信を持って「はい」とは言えないと思ったのです。

なぜなら、世の中の全ての人が感染しようと思って、感染しているわけではなく、対策を様々に講じた結果、感染リスクが抑えられていない。つまり、今行っている対策を行ったから十分とは言えないのではないかと思ったわけです。

やりたい気持ちはもちろんありましたが、コロナ禍におけるエンターテイメントを提供する側として本当に正しいことなのか?私には、アーティストやスタッフを守ると言う責任もあり、彼らの安全を最優先に考えたときに今回は延期という形を取ることにしました。

あくまで延期。中止ではありません。状況が改善に向かうことを信じて、まずは自分たちが大きな動きをせず、一旦危機的状況を乗り越えることを優先するべきではないかと思った決断でした。


―あくまで延期。いつ、どのような形でリベンジする予定でしょうか?

谷田:まず大前提として、今回の『FUNKY DICOvery』A Hundred Birds Orchestra Xmas Special Concert でやりたかったことを変えるつもりは全くありません。

時期に関しては、この先の状況を注意深く見ながら判断していきたいと思っています。ワクチンなどの明るい話題も出ていますし、そう遠くない将来に思い切りやっていきたいですね。今回やろうとしていた企画に立ち返って、お客さんにも入ってもらい、配信も高クオリティでしっかりと見ていただけるように調整していくようにチームでは動いています。

状況がどうであれ「完璧だ」という方策は、難しいかもしれません。でも少なくとも精度の高いガイドラインを自分たちで作り出し、関係者の行動管理を徹底し、自分たちが胸を張って「ちゃんとやったんだ」と自信を持って言える状況でコンサートやライブ配信をおこなうことが、真の意味での「コロナに立ち向かう」「コロナに負けない」という意味ではないでしょうか。

ただ精神論的にライブ配信をすることが正しいとは言えないと考えています。
正しい形で「ウィズ・コロナ」をどうやって乗り越えていくのかを真剣に考える時間に充てていきたいと思っています。


―『MUSIC/SLASH』の『FUNKY DICOvery』を楽しめる日が一日でも早く来ることを願いつつ、最後に、『SOUND POWER BASE』に共感する部分を教えていただけるでしょうか。

谷田:最初にSOUND POWER BASE のコンセプトを聞いたときに、「音楽がど真ん中にくるコンテンツが久しぶりにきたな」という印象を受けました。音楽って、ただただ先細りしていくコンテンツだと思われがちでしたが、こんな風に取り上げられることで、一般の方々に興味を持ってもらうきっかけになりますよね。そういう面でも、すごく期待しているコンテンツです。

そもそもSOUND POWER BASE って、“音のチカラ” をみんなで考える基地のようなものだと感じていて。それって、私たち『MUSIC/SLASH』がやっていることとすごく近いんですよ。SOUND POWER BASE が、受け手側の人たちが配信を見るための見方やクオリティの上げ方を考えるために集まってくる場所になればいいなと。そして私たちが良い配信を届けて、良い音で聞いてくれる人が増えて、音楽業界が盛り上がっていけば、これ以上素敵なことはないと思っています。

―ありがとうございました。


COMPANY INFORMATION

『音楽を愛し、音楽を本当に届けたい人、届けて欲しいと願う人に。音楽を最高の品質で提供する動画配信サービス。』をコンセプトに株式会社SPOONが2020年7月に立ち上げた音楽専門の高音質配信プラットフォーム『MUSIC/SLASH』。山下達郎、大貫妙子、藤井風、久石譲、坂本龍一と言った名だたるアーティストが配信メディアとして起用し、その品質を証明した。2020年12月12日には『MUSIC/SLASH Premium』として96kHz・24bitのハイレゾ配信も実施することが決定している。