FEATURE

特集記事

MUSIC/SLASHが考える
「音」の持つたくさんのチカラ、
そして価値とは?

緊急インタビュー

コロナ渦で「大阪アラート発令」を受けて、
『FUNKY DICOvery』のライブ配信が
延期になった理由とは?


現在、音楽収入のほぼ半分を占めているのが、ストリーミング音楽。定額で何度でも聴けるサブスクリプション・ストリーミングによるサービスは、現代において急成長している。
今回は、業界最高水準の品質でライブストリーミング配信をおこなうプラットフォーム『MUSIC/SLASH(通称・エムスラ)』の代表である谷田光晴氏に、過去から現在、そして未来の音楽シーンの変遷や楽しみ方、価値について伺った。

PROFILE
谷田 光晴/ たにだ みつはる

メディアプランナー / 企画家・演出家
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 特別招聘教授(2013-)
株式会社SPOON 代表取締役
1980年、兵庫県篠山市生まれ。学生時代から映像クリエイターとしてのキャリアをスタート。音楽イベントなどの映像演出を中心に活動。2009年に株式会社タケナカに入社。テクニカルディレクター・クリエイティブディレクターとして数々のプロジェクトを開発・参画。同時期に広まったプロジェクションマッピングを使った映像作品を多数手掛ける。2014年に独立し、株式会社SPOONを設立。現在は東京と大阪に拠点を置き、映像技術に精通した企画家・演出家として活動する傍ら、映像機器メーカーやソフトウエア開発会社の顧問として新しいソリューション開発にも参画。2018年から山下達郎ライブツアー「山下達郎 PERFORMANCE」にVisual Product Art Director(映像作家)として参加。2020年に高音質配信プラットフォーム『MUSIC/SLASH』 を立ち上げた。


―CDやライブに収益の大半が移行している音楽市場。
これからの時代は、ストリーミング音楽だけが残っていくのでしょうか?

谷田:単刀直入に答えると、“ノー” だと私は思っています。そもそも、「音楽」という存在が真ん中にあって、それを楽しむためにライブというコンテンツがあります。そして、音源だけを切り出しているのがCD やダウンロード、サブスクリプションです。iPhoneやiPod などの音楽を携帯する端末の登場で、音楽を持ち運ぶという“スタイル” が、CD からデータに代わることで、音楽を取り巻く環境が大きく変わったんですよね。サブスクリプションが主流になることで、CD が売れなくなっていったとか。

今、サプスクリプションやダウンロードなど、音楽への課金方法自体は、以前と比べると増えています。でもそれって、どれも、サービスを提供するプラットフォーム側から生まれたもの。CD などの、アーティスト発信だったものは衰退の一途を辿り、結局アーティスト側は、プラットフォームが作った“ユーザー向けのサービス” に乗っかるしかありませんでした。サブスクリプションで聴き放題というのは、あくまでユーザー側にメリットを享受させるもので、アーティスト側には他の選択肢がない。

そんな中で、コロナの影響もあって一気に注目を浴びたのが、ライブストリーミング。ライブというアーティスト発信のコンテンツを、ユーザーが課金して楽しむサービスです。そう考えると、これは、最近の音楽市場には久しい、アーティスト側が発信して仕掛けていけるマネタイズの仕組みなんですよね。


―アーティストが自分たちで
お金を稼ぐということでしょうか?

谷田:そう。現代における映像ストリーミングにおけるマネタイズモデルとして最もポピュラーなのがYouTube だと思っています。広告収入ですね。でも、YouTube における最大の問題点は、ユーザー側がお金を払っているという感覚がないこと。広告さえ見れば、無料で見ることができますから。一般ユーザーの代わりに、広告を出すスポンサーがお金を支払っている仕組みです。

でも、実際のアーティストとファンの関係は、これでは成立しません。アーティストに対してファンは、“応援する” という形で、きちんとお金を払うという仕組みがやっぱり必要になってきます。今のYouTube ではダメなんです。